医療技術の進歩は人類の平均寿命を飛躍的にあげることになった。そして男女ともに平均寿命は100歳を越えていた。
最高年齢は150歳。120歳でも現役で仕事をしている事もあった。
まさに超高齢化時代に突入していた。
しかし、これ以上の高齢化は財政的にも問題があるという事が話されるようになった。
若者世代の負担は大きく、就職もママならないという状況が続いていた。
そこで考えられた政策が、「口減らし政策」だった。
それは、若者世代と高齢者とのバランスをとるために、男性は40歳になったときに半分にすると言う政策たった。
高齢者の数を減らして平均寿命を下げるのが目的のこの政策は、
施行当初は物議を呼んだものの強行に施行されて生活も安定してきたことから、
当然のように受け入れられるようになってしまっていた。
しかし、明らかに人道的に問題のある政策に対して、
施行から100年近くたっても反対運動は続いていた。
この政策の内容は、生まれたときから同じ日に生まれたライバルを決めて、
男性は40歳の誕生日に、それまでの人生で無作為に行なわれる試験の結果でどちらが生き残るかを決めるという政策で、
敗者は消去されることになっていた。
男性だけなのは、女性は子育てがあるからだ。
その試験方法はあかされてはないが、ライバルとなる相手のことは、
生まれたときから教えられてライバル心を植えつけられていたのだった。
多くの人は、そのシステムに対して受け入れていた。
昔からそういうものだということを教育されてきたからだった。
生き残りたければライバルよりもいい成績を残せばいいということを誰もが理解していた。
ライバルが先には死亡した場合無試験で生き残れるが、
死亡に対して何らかの関与が疑われたような場合は重罪人として永遠に収監されるという思い罪になるので、
誰もライバルを殺そうなんてことは考えなかった。
敗者は丁重に埋葬されてその家族の生活は保障された。
家族の為に敗者になりたいと考えるものもいるが試験が無作為のものであることから、
不正は出来ないことになっていた。
そして、ここにもう直ぐ40歳の誕生日々を迎えるシゲルとアキラのライバル二人がいる。
二人はライバルであると同時に愛し合ってもいた。
ライバル同士とわかっていながら惹かれあう感情を抑えることが出来なかったのだった。
しかし、どちらかひとりが確実にいなくなるという現実は、
二人にとって受け入れられないものだった。